リノベーションまちづくりは今ある資源を活かすことで、現地の民間事業者が低コスト、低リスクでスピーディに事業を生み出し、それが徒歩圏内のスモールエリアに連鎖することでエリアの価値を向上させる、民間主導のまちづくりの手法です。
この手法は、中長期のビジョンをしっかりと見据えながら短期的な目標を着実に実現化させるという、短期と中長期の両軸で進めていくことが重要です。
そのときに成果を、単年度の実事業化数等の目先の数値だけにとらわれてはいけません。現地のコミュニティがどれだけ育ち、自発的な活動がどのくらい育っているかなど、中長期的な視点で見たときに重要と思われる定性的な指標についても注目することが必要です。
リノベーションまちづくりとは、ただ空き家をリノベーションして事業を生み出すことだけを指しているわけではありません。事業を生み出す過程の中で、周囲の人々の考え方がリノベーションされ、繋がりを持ち、信頼を育み、そのコミュニティが醸成されることが重要です。
そのためには、リノベーションまちづくりを推し進める公務員の方々が自ら考えた意見を自らの言葉で周囲の方々にお話をいただく必要があり、ご自身が周囲の方々の信頼を得なければ意味がありません。
同時に、リノベーションまちづくりのノウハウもそのエリアに蓄積していかなければ、活動の継続性が担保できません。そのような考えから弊社では、多くの作業、実働部分を現地の皆様にお願いをしております。
リノベリングでは事業内容としていくつかのメニューを提示しておりますが、どのような事業内容をどの順番・プロセスを踏んで実施していくのが最善かは、それぞれの地域の状況によって異なります。
他の都市でリノベーションスクールが一定の成果を生み出しているからといって、ご自身の都市でもリノベーションスクールを実施することが一番効果的とは限りません。
まずはお問合せをいただき、エリアの状況を伺った上で事業内容を組み立てるところから、お手伝いをさせていただきたいと考えています。
人口増加から未曾有の人口減少局面へと前提条件が180度変化した中で、これまで有効とされてきた手法(再開発など)が同じ効果を生み出すことは極めて難しくなってきています。必要以上の事業規模設定は投資回収が難しいと同時に、ハード面での維持管理費がさらに上乗せされて将来の負担を増やしかねません。
再開発などの手法を成立させるためには、エリアに対する期待値がある程度向上した状態を作り出さなければならず、それを実現する手法がリノベーションまちづくりです。
再開発の手法とリノベーションまちづくりは決して相対するものではなく、うまく組み合わせれば互いに相乗効果を生む可能性があります。
既存概念にとらわれず、前提条件の変化に応じてこれまでの手法を刷新し、変化を恐れずに現状にあった新しい手法を積極的に取り入れてください。