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【開催レポート】キッズトレジャーハンティングを世田谷区池ノ上で開催しました!ダイジェスト映像も公開中!

キッズトレジャーハンティング 世田谷区

今年の夏、池ノ上のまちを舞台に、子どもたちがまちに飛び込んで地域の「宝物」を発見し、暮らしのアイデアを描く「キッズトレジャーハンティング」が2日間にわたって開催されました。この記事では、その内容をダイジェストでお伝えします。


なぜ「キッズトレジャーハンティング」なのか
池ノ上では、昨年度、地域の方々と「池ノ上の今と未来」をテーマに全4回のトークサロンを実施しました。そこでは、商店街・駅・小学校が隣接し、商業・暮らし・教育が日常的に交わるエリアの特徴や、町会やPTAをはじめ多くの地域団体による様々な活動を通じて、子どもを中心にした地域のつながりが育まれていることなど、多くのまちの魅力が明らかになりました。

一方で、賃貸マンションの増加に伴う路面店の喪失、老舗の閉店やコロナを経て出店業態の変化などまちの変遷も共有され、今まちに暮らす子どもたちが地域の魅力を十分に感じ、将来もこのまちで暮らしたいと誇りや愛着を持たなければ、地域の魅力が失われ、次世代に引き継ぐことが難しくなるのではないか、という懸念の声も寄せられました。
こうした背景を受けて企画したのが、「キッズトレジャーハンティング」です。リノベーションまちづくりの考え方では、すでにある資源に新しい価値を見出すことを大切にしています。未来の担い手である子どもたちが「トレジャーハンター」となってまちを歩き、日常では見過ごしがちなまちの資源を「宝物」として見い出し、それをどう生かすかを考える。そうした体験を通じて、子どもたちがまちを自分ごととして捉える感覚を育み、次世代に魅力を繋ぐために、未来への布石をうつことを目的にしています。また保護者や店主の方々にとっても、子どもたちとの対話をきっかけに池ノ上の良さを再発見し、お互いを知りまちへの思いを深めることも目的にしています。

子どもたちの3つの冒険
当日は3チームに分かれ、地域のお店を訪問。店主の思いや困りごとに耳を傾けながら、日常の中にある宝物や人との出会いを通じて池ノ上の魅力を発見し、「こんなことができたら」と自由な発想でアイデアをかたちにしていきました。

1つ目のチームは、アクアリウムショップ「EARTH」に。
水槽をひとつの生態系として見立てて水草や魚を育て、生命を学ぶことを大切にする店主からお話を聞き、子どもたちも池ノ上のまちを舞台にしたオリジナルの水槽をつくってみることに。実際にまちに飛び出して、今まで気づかなかった新しい池ノ上の良さを再発見したり、自分たちの目で見て感じた住みたいまちの風景を水槽の中に表現しました。

2つ目のチームは、地域のコワーキングスペース「DOTEMA」へ。
オーナーの「地域にもっと開かれた場所にしたい」という思いにふれ、子どもたちもこの場所でやってみたいことを企画することに。みんなで話し合い決定したのは、近所の動物も巻き込んだ流しそうめんパーティー。「どうしたらみんなが集まるかな?」と頭を悩ませながら、自分たちでチラシを作って配布したり、またたびで猫を誘き寄せたり…ご近所さんの暖かい協力も得ながらパーティーを実現させ、地域の方も一緒に楽しい時間を過ごしました。

3つ目のチームは、訪日外国人向けの日本文化体験と喫茶のお店「Oh!mama」 に。
子どもたちはお店で茶道と書道を実際に体験しながら、「インバウンドの外国人の方に、池ノ上の魅力、和文化体験の楽しさをもっと知ってもらうには?」という店主からの問いを考えました。さらに地域で暮らす方々にインタビューをしながら、池ノ上の知らなかった魅力を自分たちの言葉で見つけ出し、その体験をもとに池ノ上の魅力を紹介する映像を制作しました。

子どもたちがつくる、新しいまちの風景
プログラムを通じて、子どもたちは今まで気づかなかった池ノ上の魅力を自分の目で見て発掘し、今ある池ノ上の良さを活かしながら創造力を膨らませ、新しい風景を描き出してくれました。その姿に大人たちも改めて池ノ上を見つめ直すきっかけを得ることができ、世代を超えて魅力を共有し、そこで暮らす当事者としてまちを考えることの楽しさや大切さを実感できました。

今年度の後半では、昨年度のトークサロン参加者や、今回のキッズトレハンで子どもたちが見つけたまちの宝物をもとに、池ノ上の魅力を可視化し、次のアクションに繋げていくための小冊子を作成予定です。ぜひ今後の池ノ上の動きにご注目ください!
キッズトレジャーハンティングの様子は、こちらのダイジェスト映像にまとめています。
子どもたちの小さな冒険のまなざしを、ぜひご覧ください。

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